オリンピック体操男子 内村選手の意識

 先日NHKでオリンピック特集「ミラクルボディー」が放映されていた。世界のトップアスリートの身体や意識、脳の構造を科学的に調べていくという番組である。

 たまたま見た番組であったが 実に興味深かった。内村選手は新しい難度の高い技を習得するときには イメージトレーニングを非常に重要視しているという。しかも特徴的なのは そのイメージが「一人称」なのである。
 「一人称」・・・意味が分かりずらいですね・・・内村選手が中学生の時 オリンピックの体操競技の鉄棒で「コバチ」という離れ技を見て感動し、何度も何度もそれこそビデオテープが擦り切れる程見たらしい。そしてテレビに映る選手を見ていたとき、突然自分が選手になった感覚・・・すなわち、第三者の演技を見ている自分ではなく、演技者の視野になっていたというのである。分かります?イメージされる映像が 演技者が見える風景、つまり鉄棒の位置、鉄棒を握ろうとする自分の手、着地の時にみえるマット などなど 正に選手に成りきった視線に成っていたというのである。これを「一人称」的イメージという。

 このイメージを体験すると 視覚で見ただけの技が出来るようになるという・・・凄いイメージトレーニングである。

 私たちも良くイメージトレーニングをする。でもその時は行動している自分の姿を見ている「三人称」的イメージトレーニングがほとんどだと思う。これでは本当のイメージトレーニングにはなっていないようだ。私もこれからは「一人称」的 イメージトレーニングを心掛けたい。